ホルモン異常と勃起機能の関係
ホルモンは、勃起機能や性欲を維持するために重要な役割を果たします。特に、テストステロン(男性ホルモン)は、性欲(リビドー)や勃起機能を支えるホルモンの一つです。
低テストステロン症(LOH症候群: Late-Onset Hypogonadism)やその他のホルモンバランスの乱れがあると、勃起機能の低下(ED: Erectile Dysfunction)につながることがあります。
1. 主要なホルモンと勃起機能
(1) テストステロン(男性ホルモン)
テストステロンは精巣(睾丸)で分泌され、以下のような働きをします。
- 性欲(リビドー)を高める
- 勃起の維持を助ける
- 筋肉量・骨密度の維持
- 赤血球の産生促進
- 気分や認知機能の安定化
テストステロンの分泌量は20代をピークに加齢とともに減少し、40代以降では毎年約1%ずつ低下すると言われています。テストステロンが不足すると、性欲低下、勃起の困難、疲労感、うつ症状などが現れることがあります。
2. 低テストステロン症(LOH症候群)
(1) 低テストステロン症とは?
LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)は、中高年の男性に見られるテストステロンの低下に伴う症状の総称です。
テストステロンが低下すると、以下のような症状が現れます。
(2) LOH症候群の症状
性機能関連
- 性欲の低下
- 朝立ち(夜間陰茎勃起現象)の減少
- 勃起の維持が困難
- 射精の回数が減少
身体的症状
- 筋力の低下
- 体脂肪の増加(特に内臓脂肪)
- 疲労感、倦怠感
- 骨密度の低下(骨粗しょう症リスク増加)
精神的症状
- 気分の落ち込み、抑うつ状態
- 集中力・記憶力の低下
- イライラや不安感の増加
3. ホルモンバランスが崩れる原因
ホルモンバランスの乱れは、さまざまな要因によって引き起こされます。
(1) 加齢
- 40歳以降、テストステロンは毎年約1%ずつ低下
- 50代以降では約20%の男性が低テストステロン症を発症
(2) 肥満(特に内臓脂肪)
- 脂肪組織に含まれるアロマターゼ酵素が、テストステロンを**エストロゲン(女性ホルモン)**に変換し、テストステロン値を低下させる。
- BMIが高いほど低テストステロン症のリスクが上昇。
(3) ストレス
- 慢性的なストレスはコルチゾール(ストレスホルモン)を増加させ、テストステロン分泌を抑制。
- 過剰な交感神経の活性化が勃起不全を引き起こす。
(4) 睡眠不足
- 深い眠り(ノンレム睡眠)でテストステロンが分泌されるため、睡眠時間が短いとホルモン分泌が低下する。
- **睡眠時無呼吸症候群(SAS)のある人は、テストステロン値が大幅に低いことが多い。
(5) 過度なアルコール摂取
- アルコールは精巣機能を低下させ、テストステロンの産生を抑制。
- 長期的な飲酒は男性ホルモンの減少を加速させる。
(6) 特定の病気
-
糖尿病(特に2型糖尿病)
- インスリン抵抗性がテストステロンの低下を引き起こしやすい。
-
甲状腺機能低下症
- 甲状腺ホルモンの不足が、テストステロン低下につながる。
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慢性腎疾患・肝疾患
- これらの病気はホルモン代謝に影響を与え、テストステロン分泌が低下。
4. 低テストステロン症によるEDを改善する方法
(1) 生活習慣の改善
適度な運動
- 筋力トレーニング(特にスクワットやデッドリフト)は、テストステロン分泌を促進。
- 有酸素運動(ジョギングやウォーキング)も効果的。
食生活の見直し
- 亜鉛(牡蠣、赤身肉、ナッツ類)はテストステロン生成に不可欠。
- ビタミンD(日光浴、魚類、卵黄)はテストステロンを増やす。
- 糖質・加工食品の過剰摂取を避ける。
十分な睡眠
- 1日 7~8時間の睡眠 を確保。
- 寝る前のスマホ・PC使用を控える(ブルーライトがホルモン分泌に悪影響)。
ストレス管理
- 瞑想、ヨガ、趣味の時間を取り入れる。
(2) テストステロン補充療法(TRT: Testosterone Replacement Therapy)
- 血液検査でテストステロン値が低い場合、医師の判断で補充療法を実施。
- 投与方法
- 注射(筋肉内テストステロン注射)
- 塗り薬(ジェル)
- 貼り薬(パッチ)
- 副作用のリスク(多血症、前立腺肥大、肝機能障害)もあるため、定期的な診察が必要。
(3) ED治療薬の併用
- バイアグラ(シルデナフィル)、シアリス(タダラフィル) などのED治療薬は、低テストステロン症によるEDの補助的治療として使われることもある。
5. まとめ
テストステロンは勃起機能と性欲を維持する重要なホルモン。
加齢、肥満、ストレス、睡眠不足などがホルモンバランスを崩し、EDを引き起こす。
生活習慣の改善(運動、食事、睡眠)でテストステロンを増やすことが可能。
重度の低テストステロン症は、医療的な治療(ホルモン補充療法)を検討。
まずは生活習慣の見直しを行い、必要なら医師の診察を受けることが重要です!

